田舎で培われた感性。

先日、ねこのバースデーを祝うために実家に帰りました。家族が誕生日とあらば忙しくてもなるべく帰るようにしていてね。

ぼくの地元は東京都の田舎のほうにあって、よく「出身は東京です」と言うと「都会の人なんだね」と返されるのですが、とっても田舎で、高いビルなんて1つもないようなところなんです。

久しぶりの地元

でね、きのうはそんな田舎町に帰ったんだけど、あいも変わらずそこには山があって、川があって、自然が溢れていて、空気がおいしくてさ、「ああ、ここで生まれ育ったんだよなあ」っていう懐かしさと安心感に包まれた。

道がひろくて、土の匂いがして、家の裏にある遊歩道には秋が敷き詰められていた。

季節の変化が大好きだったしみ青年は昔っからその移り変わりに敏感で、天気がいいと相棒のジョルノ(原付)を河川敷まで走らせたりもした。春には一緒に桜をみて、そこで感じたことを文字におこした。 

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冬が終わるころには蝋梅(ろうばい)という花がちょこんと咲いて、その可愛らしさに心を奪われたりもした。雪が積もったときにはその懸命な姿に愛くるしさを覚えた。

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こういった田舎町でのゆったりとした暮らしは、いまでも僕の活動の基盤となっている。

田舎で培われた感性

ときどき「しみさんの感性ってどこからきてるんですか?」と聞かれることがある。

僕自身そんなにたいそうな感性をもっているとは思っていないのだけど、そういった質問が飛んできたときには「地元じゃないかなあ」と答えている。

僕の生まれ育ったところは、都会のように便利なわけでも、オシャレなカフェがたくさんあるわけでもない。ネット環境が整っているお店も少ない。

移動には時間がかかるし、生活するのにクルマは必須だし、電車のドアはボタンを押さなきゃ開かない。

でも、春にはウグイスが元気いっぱい鳴いていて、毎朝その声を聞いては「あの子うまく鳴けるようになってきたね〜」と母親と談笑したりする。

夜はヤモリが窓の外にやってきて、そのシルエットを不思議そうにねこたちが眺める。

遊歩道の桜には毎年感動させられる。 

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夏はウチにいるねこたちが「さすがに熱すぎるだろうこれ〜」と言わんばかりに涼しいポイントを見つけては仰向けで寝ていて、近くのグラウンドでは子どもたちが暗くなるまでサッカーをしている。夜にはお祭りの音がどこか遠くのほうから聞こえてくる。

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秋には駅までの道が赤と黄色に色づいて、冬になるとそれらが散り、その枯葉を小学生たちがシャカシャカと踏んで遊んでいたりする。

冬の夜はとにかく空気がきれいで、缶コーヒーを買って散歩に出かける(徘徊する)こともしばしば。 

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不便で、自然がいっぱいで、時間がゆっくりと流れる。そんな都会とはかけ離れた「アナログな生活」が僕のまんなかにはある。

いままではそんなに意識していなかったのだけど、そんな暮らしをしていた経験がいまの活動や発想を作っているのかもしれないなあと最近は思うようになった。

東京という場所

東京は良くも悪くも情報が多い。なんだかすごい人も多い。高いビルもいっぱいあって、そこにはたくさんの会社が入っていて、数えきれないほどの人たちが色々なことを日夜仕掛けている。

アクティブで、意識が高く、ギラギラと野心に燃えている人も多い。夢をもっている人、大きな野望がある人、なにかに負けたくない人。

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そんな環境にいると自然と肩に力が入ってしまいそうになる。自分も頑張らないと、と思うこともある。劣等感を感じて落ち込むことだって。いつのまにか嘘に慣れ、人に流されていく。

そんなとき、僕は田舎を思い出す。

僕はただ目の前にいる人を大切にして、誰かと比べることもせず、ゆったりと、いきいきと、のびのびと、僕らしく生きていればいい。

僕が楽しくて毎日笑っていられる。自分が自分をまず大切にしてあげる。話はそれからだ。と、そんなことを思い出すことができて、また自分のリズムを取り戻すことができる。柔軟な発想ができるようになる。

バリバリとアクティブになにかを起こしていったり、ハングリーな仕掛け人が多い今の時代だからこそ、僕は逆行していきたいなと思う。自分らしくゆるゆると生きていくことに徹する。

また疲れたら帰るね

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駅前のメンチカツ屋さんのおばちゃんのお節介も、地元特有の匂いも、公園がそこらじゅうにある風景も、ただただ大きな空が広がっている河川敷も、季節によって町の色が変わるところも。 

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なにも考えずにぼーっと過ごすこともあれば、上空に広がる藍色に将来を描くこともある。ねこと昼寝をして終わる一日だってある。それでいい。それがいい。

そんな僕の原点。

 

しみ
クリエイター
ふらふら旅暮らし。
映像と文章で生きています。
居心地のいい時間に浸るのが好き。
目の前のひとりを大切に。