真友ジーン

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2年前、たまたまインスタグラムに流れてきた投稿が目に止まった。

それはただ一人の女の子が南国のようなところでアサイーボウルを食べるだけの動画だったんだけど、僕はその弾け飛ぶような笑顔に一撃で魅了された。いとも簡単にやられてしまった。

どうやって育ったらそんなに綺麗な笑顔ができるのだろう。

彼女は「真友ジーン」という名前で活動していた。 

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それから彼女のインスタグラムを遡ってみた。

シンガーソングライターとしてアーティスト活動をしていること、大学生であること、ファッションが好きなこと、髪色がピンクだった時代があること、海の近くで暮らしていること、愛犬がいること。

特別有名な子でもなかった。フォロワーも数千人くらい?だったと思う。

でも、触れるもののセンスが抜群によくて、自然の中で育まれた感性が素敵で、音楽を心の底から楽しんでいて、家族を愛していて、なんだろう、たぶん純粋にファンだったのだと思う。 

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がんばってほしい、と思って応援コメントも何度かした。普段、会ったこともない・知り合いでもない人にコメントなんてしないから、とても緊張したのを覚えている。

投稿を見てはいつも元気をもらっていた。ライブにも予定が合えば行こう!と思っていた。

そして今日、彼女が亡くなっていたことを知った。

真友ジーン. 、mayu 、真友を愛してくださった皆様へ   

平成29年年末に娘 真友が急病により他界いたしました。

生前の皆様からの温かなお気持ちや多大なるお心使いに、娘の真友に代わり心よりお礼を申し上げます。

MayuGene

しばらく見ないな、どうしたのかな、とは思っていたのだけど、1年前に亡くなっていた。

僕は会いに行かなかったことをめちゃくちゃ後悔した。久しぶりに「会ってみたい」と思った人だったから。いつか会えるだろうと思っていたから。

彼女の愛した音楽を一度でも生で聴いてみたかった。あの笑顔を目の前で見たかった。

ファッションも音楽も感情も、たくさんたくさん表現していた子だった。

でも、もっと色んな服を着たかっただろうな。音楽で遊びたかっただろうな。笑いたかっただろうな。悲しみも、悔しさも、嬉しさも、噛み締めたかっただろうな。

想像でしかないのだけれど、そんなことを思った。

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僕ももっと、この世界に自分を表現していこう。出し惜しみなんてしない。

時間がないのも関係ない。お金がないのも言い訳にならない。どっちもちゃんと作って、自分が好きなだけ自分の好きな表現をする。

たくさん笑って、たくさん泣いて、たくさん悩んで、いろんな感情を味わっていきたいと思う。自分をもっと楽しみ尽くさないと。

そう心に決めた日でした。

あと、会いたい人には今すぐに会いにいく。いつか会えるだろうと思っている人は、いつまでも生きてるわけじゃない。

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真友ジーン. MUSEUMより引用

娘は真友として私のところに来てくれてから、mayu、真友ジーン.というアーティストとしての姿から、また娘の真友となり、24年間の生涯を終えました。

今想うと、その24年間は本当に濃厚な時間で私自身娘である真友に教わったことが沢山ありました。

中でも真友に教わったことは「願い(夢)は叶う」ということでした。
私は小さい頃、夢は諦めるもので、叶うものでないと思っていました。

しかし、真友は大好きな歌を歌うことで次々と夢を見事に叶えていったのです。
そこには真友の愛と圧倒的なPowerがありました。

その愛とPowerでまだまだ叶えたいことが山ほどあったとのだと思います。

真友は常々、「人にはそれぞれ得意なものがあり、みんなが得意なことを活かして、みんなが幸せになれる世の中がいい」と言っていました。

だから私が歌うことで、誰かが幸せな気持ちになってくれると信じていると。

あまりにも短い生涯でしたが、真友から発信された言葉や感情、歌うことがそれぞれの人たちのもとへ届いていってくれたと信じたいと思います。

真友の身体は無くなってしまいましたが、真友の愛とPowerで彼女が作ってきた作品やメッセージ、皆様が共にしてきた時間、思い出、その全てが皆様の心の中に生き続けていくことができるのなら本当に嬉しく思います。

最後になりましたが、真友ジーン.のファンの皆様、今までご支援いただいた音楽関係の方々、一緒に音楽を楽しんでいただいたミュージシャンの方々、真友を支えていただいたご友人の方々、そして私にこのような挨拶の機会を与えて下さった真友ジーン.ミュージアム実行委員会の方々に感謝申し上げます。

真友の母より

ご冥福をお祈りします。

 

しみ
クリエイター
ふらふら旅暮らし。
映像と文章で生きています。
居心地のいい時間に浸るのが好き。
目の前のひとりを大切に。