人と人とが理解し合うということ。

「 僕はあなたが思っているほど浅い人間じゃないし、あなたが思っている以上に深く考えているよ。

そう思うようなときがある。自分としてはとてもこだわっていたり、深く考えているはずの部分を、その深度までは理解してもらえずにむしろ軽薄なイメージを持たれてしまうとき。

もちろんそう思われてしまうのにはこちらの伝え方みたいなものが良くなかったり、そもそも伝えていない場合がほとんどだったりするんだけど、なんだかこうゆうときは悲しくなるんだよね。みんなもあるよね?

10割分のわたし

たとえば僕があなたと「初めまして〜」って出会ったとして、そのときに何割分のあなたが見えてるんだろう? って考えたわけさ。

すべてのあなたが10割分あったとしたら、「初めまして」の時点でコッチが得ている情報としてはせいぜい外見、雰囲気、声、服装、人あたり、表情、とかそんなもんだと思うんだよね。たぶんこの時点で分かるのはその人の1〜2割くらいだとおもう。

でね、そのときにあなたが胸の内で考えていることとか、生い立ちとか、大切にしていることとか、密かにやりたい野望とか、好きな空気感とか、そんなものまでは全然わからないわけさ。

だからその1〜2割の情報量でその人を推し量ってしまうのはもったいないと思うし、「浅はかだな」って思うわけ。あと8割分くらいあるその人を知らないのに「あのひと苦手」って言っちゃうのはなんだか違うなって。

もし逆の立場だったら「わたしの1〜2割しか見てないのになによ。プンプン。」ってなると思うんだよね。心外だったりするよね。「アンタにわたしの何がわかるのよ」って言っちゃうヒロインの気持ちもこんな感じなのかもなって。

人は深い

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人は思っているよりもずっとずっと深くて、たぶん初めて知り合ってから、一緒に遊んだり、飲んだり、シゴトをしている一面を見たり、スポーツをしたり、弱い部分を見たり、そうやってその人のいろんな一面を見ていくことで、その人を理解している割合が増えていくと思うんだよね。

で、お互いに8〜9割分のソイツを知っていたりすると、いわゆる「親友」みたいになるんじゃないかな。

逆にこのことを理解していなくて、「自分が知っているその人の割合」と「相手が見せている割合」がズレたときにコミュニケーションのすれ違いって起きるのかなって。

「あいつは分かってない」「わたしのことを理解してくれない」「あの人には分からないよ」みたいな感じにね。

だから僕は出会ったひとのいろんな一面を見てみたいと思うし、初めましての段階ではその人の1割しか見ていないと思っているから、理解した気になったような発言はしないようにしていたりね。ぼくが思っているよりもその人は深いのだ。

人とすぐに打ち解ける人

そのなかで、人とすぐに打ち解けてしまって親友みたいになっちゃう人っていると思う。たまにいるよね、この人誰とでもすぐ仲良くなるなあ、って人。

そんな人は最初から「8割分」くらいの自分を見せちゃえる人なんだよね。めっちゃ見せる。自分のあんなところもこんなところも、ダメな部分も見せちゃう。

つまり自然体なんだよね。自分をさらけ出すことに抵抗がなくて、なにも隠してない超自分オープンで、つねに本心で生きてる。

どんどん自分から見せていくから、相手も本来の自分を見せやすいし、自然体でいられたりする。だから最初からお互いに「見せる割合」が多いから一気にある程度の深さまでその人を理解できて、仲良くなっちゃうんだよね。すごい。

自分に素直に生きて、本心で生きて、人と本音で語ったりしていくことで、つねに8割を見せちゃってる自然体な自分に成長していけるのかなあ、なんて想像しながらこれを書いていまして、いやはや楽しい。

あなたの知ってるあなた

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もうそろそろまとめに入るね。

いろいろと書いちゃったけど何が言いたいのかっていうと、僕はあなたの10割分を知らないし、あなたは僕の10割分を知らない。

だから僕があなたのことを分かりきったような口調で何かを発言するのは申し訳ないし、あなたが僕のことを分かりきったような口調でなにか悪いことを言っていたとしても、それは気にしなくていいってことだ。それはみんなも同じ。

あなたが何か嫌なことを言われたとしても、その人はあなたの10割分を見て言ってるわけじゃない。だからいちいち真に受けてヘコむことではないし、あなたはもっと深いんだよってこと。10割分のあなたは、あなたしか知らない。

でもそれだと自分と人とのあいだに溝が出来ちゃうから、なるべく多くの割合の自分を見せていく努力はしなきゃなって思う。

ぼくは人に弱みを見せるのが死ぬほど苦手で、今年一年はソレばっかりしてた。人に弱みを見せる努力。そうすることで今は自分を見せられる割合が増えて、自然体でいられるようになった。

「 僕はあなたが思っているほど浅い人間じゃないし、あなたが思っている以上に深く考えているよ。」

なるべくなら、10割分に近いあなたを世界にさらけ出して、「自分」のまま生きて、一体化して溶け込んじゃったほうが、ラクなのかもしれないね。

しみ
クリエイター
ふらふら旅暮らし。
映像と文章で生きています。
居心地のいい時間に浸るのが好き。
目の前のひとりを大切に。